2005/9/17 土曜日

済南賓館に挑戦する

Filed under: 済南賓館 — damarin8 @ 22:44:11

その筋では、大変有名な「済南賓館」にいく幸福をつかむ事ができた。

メンバーは、「聚中縁餃子」店長の王小姐、私、店の常連二人、DEFさんKDWKさん(双方、火鍋中毒)という謎面子。まったく共通点のない混成部隊。しいていえば、聚中縁餃子を応援する会という面子。

とにかく、地上に唯一のこる魯菜宮廷料理を食べておこうということが趣旨だった。王小姐はもちろん中華料理店を経営しているわけだから、将来のためにもなるだろうと店をお休みして駆けつけた。旦那さんありがとう。

料理はすべて地味。しかし滋味あふれる味わいで、下ごしらえを丁寧に行っている結果の味だと思う。はっきりいって、旨味成分は少ないし味付けも薄味で、人によっては日本料理風にアレンジしてあると思うかもしれない。しかし素材の味を楽しむと、このくらいの味付けになることがよくわかる。決して「地上で一番うまいもの」を食べに行く店ではないと思う。「地上で一番優しさに溢れる中華」が食べたかったら、是非行くといい。自分も、月に一度くらいで、もう何度でもいきたい。

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前菜 皮蛋と鹹蛋の卵とじ
 ピータンの臭みがとれ、濃厚な味わいのみが残る一品。目隠しをされて「フランス製のパテだよ」と言われたら、区別がつかないだろう。

前菜 キュウリの漢方漬け
 漬け物。いやな味は当然のこらず、口がさっぱりする。

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前菜 五香豆腐絲
 微妙な味がついていたが、時間があいてしまったので忘れてしまった。

前菜 豚タンの漢方煮
 漢方を用いたタレで煮込んだタン。肉の繊維いっぽんいっぽんまで旨味がある。

豚耳の漢方煮
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普通の豚耳よりも、味付けがくどくない程度にしっかりした味が付いていた。

前菜 エビの卵と挽肉、らっきょうのペースト
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小さなエビ卵がいっぱい入った一皿。上品で微妙な味わい(としか言いようがない)

湯葉揚巻
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中に、アワビ、椎茸、エビが重ねて巻かれている。それぞれ別々に煮て味を整えた上で、あわせて一つにくるんで巻いてある。下ごしらえが大変な一皿。

イカの炒め物
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イカを丁寧に下ごしらえした上で、高温の鍋でひと廻しで仕上げたと思われる一皿。刺身用のイカに対して完璧な火の通し具合。というか完全に半生のレアで、甘みがいちばん立つポイントで火を通している。

里芋のホワイトソース
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清真教徒(イスラム)の料理だという。里芋の甘みと、ねっとりした食感をソースで包んだ品。こういう料理法もあるんだ。王さんと感心。

蟹と豆腐のあんかけ
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これは、見た目の予想通りの味だった。豆腐の味がわかる味の薄さ。思えば、前の一皿から一旦テンションを落とすためのものだったかもしれない。

豚肉の黒酢あんかけ
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豚肉を、甘酸っぱい黒酢でからげたもの。鎮江香酢の系統のようだ。

エビのチリソース
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本日のメインイベントだった一皿。髭をおとし、足をとって背割りをいれた大エビを唐揚げにし、ソースをかけている。ソースは大量のショウガで味付けされており、ニンニク少々、ネギ。チリ味はショウガによる「麻」のぴりぴり感。エビは頭から食べるので、ミソの旨味と身の甘さ、ショウガの刺激が一体となっている。これがオリジナルレシピのエビチリなのかと、びっくりした。
ケチャップと砂糖を使った物とは、似て非なる物だ。

混ぜご飯
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ちょっと気の抜けたお稲荷さんの中身、という感じの酢飯仕立てのかやくごはん。

水餃子
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肉がちょっぴり入った水餃子。餅米を混ぜてあるのか、小麦とは思えない滑らかさの皮。

デザート
 ナタデココ。これは普通なのでノーコメント

後日談
 昼飯を食べに「聚中縁」に行くと、王さんが「いっしょにいった二人が、また済南賓館にいったらしくて、佐藤さんをうちの店に呼んだみたいなの。おばあさん来るって。」
マジっすか?給仕に忙しい王さんと、合間合間に話す。「コックさんたち、特級厨師が店に来るだなんて、緊張しちゃうんじゃない?」「そう、どうしようどうしようって言ってる」ちょっと、あり得ない展開だよ。コックさんたちも、まさか異国の地で鍋ふってたら、文革で絶えたはずの宮廷料理の伝承者が自分の店に来るなんて。中国本土にいたらあり得ない話。
いってみれば、上海あたりで日本料理屋をやってたら、京都の瓢亭の板長が食べにくると言われたようなもの(実際は最後の生き残りだから、もっと凄い。釣魚台にもいない?)だから、店のひとは驚くよなぁ。

偶然、近くに出来た中華料理屋に通い詰めて仲良くなって、軽い気持ちで食事に誘ったのだが、まさかこんな展開になるとは自分でも思ってもみなかった。
これだからマニアのビョーキは治らない。これで、文革で消えた伝承が中国人の手に帰ったら、どんなに素晴らしいだろう。

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