歌舞伎デビュー

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梅の花が咲きました。梅花寒中に在りてなほ美し

来るときは彼女とと思ってた歌舞伎ですが、まあ神様が決めたことだから仕方ないということで一人でやってきましたさよなら公演中の歌舞伎座。

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私と同じくらいの年頃のお姉さんが結構見受けられました。お近づきになりたい。。。。というのは冗談で、外人さんやらいっぱいいて楽しい雰囲気です。

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今日見たのは十六夜清心。歌が素敵でした。

その後、北欧の匠に行きました。 振られてしまったことを店主にご報告、残念でした。いろいろ相談しながら一生ものを選んだのですが、気持ちが通じませんでした。でもご縁があってこのカバンが彼女のところに行ったのですから、大事にして欲しいです。たぶん10年経てばわかるでしょう。

この職人さんの作品はすでに神格化されてるみたいで、これから入手は難しくなるでしょう。今日もお客さんが来ていましたが、かんじんのものがなかったようでした。

さて、今日は一個カバンを注文してしまいました。自分で持っても、彼女になる人が持ってもいいカバンに仕上がりそうです。デザインを決めて今からお願いすると、少なくとも1年かかります。本当の手作り品なんで、まあそういうものです。のんびりなんで、お金を貯金する余裕もあり苦しくもないのがいいところです。パソコン更新はお預けにしました。

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ささやかな春節の会 伊勢佐木町 龍鳳

 NYから友人がきたので予定をあわせて春節の会を開催しました。みなさんご参加ありがとうございます。

すでに毎年恒例の会となっています。 すでにお店にも顔なじみになって味に対するお願いも「広東人むけ!」とわかっているので、「ひとり5000円で、お任せで春節料理をお願いします」とオーダーしました。今日は8人の予定が7人で開催でした。

ミル貝と菜の花の山桜和え

ピータンのかぼちゃ寄せ

「ミル貝がおいしい!」 と声を上げたのは隣の小鳳さん。貝自体もおいしく、さらにこの山桜の塩漬けの味わいが泣かせます。 一緒に出てくるピータンのかぼちゃ寄せがしみじみ甘くて泣かせます。

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 くらげ

大根、人参、蓮の甘酢漬け

中国でも「先が見通せるよう」お正月に蓮を食べるんですね。どの品も控えめな味でおいしいです。

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 臘肉

自家製の風肉です。豚肉ってこんなにうまかったかと毎年思います。台湾とかの店で食べるのは甘かったりして正直好みではありません。横浜のこの店のものは、雑味が一切ない気がします。横浜華僑が本場に行って食べて落胆して「風肉は横浜が一番」というのは本当だと思います。

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臘腸

自家製腸詰です。なんでこんなに上品にできるんでしょうか?もちろん脂身が入っているのですが、じつにさっぱりうまみだけが詰まっているかんじです。箸がとまりませんがセーブセーブ

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鶏ふきのとうの包み揚げ

ほろにがい味わいが油くささを打ち消していて、中は肉汁たっぷりの鶏肉がはいっています。毎年この一品を食べるためだけに来たいと思う一皿です。

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冬瓜スープ 冬瓜盅

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アップで。蒸しスープです。一口目は味にパンチが無いかと思いましたが、飲んでいるうちに今まで飲んだ冬瓜スープのなかで一番おいしかったと思いました。棗の大きさ、舌触り、味が明らかに違います。冬瓜の肉のなめらかさも、繊維を感じず素晴らしいものでした。濁りのないスープがいいですね。

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大海老 冬菇 冬筍の旨煮 

干ししいたけが特大の肉厚でした。乾物臭さも感じず、やわらかくもどしてあってものすごく丁寧な一皿でした。上に載ってる青いのは金針菜(ユリの花)です。

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横財就手

豚足の南腐乳煮です。本業以外の財テクでお金が(横財)猪足(就手:すなわち手に入る)の語呂合わせです。本当にやわらかくて優しい味でおいしかった。普通は豚足といえば醤油味なのですが、こういう食べ方もあるのですね。

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 大根餅

ここの大根餅はいつもながらおいしいですね。とくに辛い麻辣醬をつけると抜群です。

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 カレイの清蒸

このお店の実力のすごさは酒蒸しに現れています。

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綺麗にはがせて、ほんのり血の色が残るぎりぎりの火の通し方ができるというのは並のコックの腕前ではないのです。

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北京ダック

なんでここで北京ダックが出てくるのか不思議でしたが、あとで考えると巻いて食べる春餅が「春」に絡めた主役だったか?と思いました。この北京ダック、北京で食べる10倍うまいです。北京の利群も香満楼も全聚德 便宜坊もこんなにうまくありません。

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 かきのチャーハン

冬の味覚、小粒の牡蠣のうまみたっぷりのチャーハンでした。すばらしい味です。

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 金柑 ユリ根の乗ったマンゴプリン

濃厚な味のマンゴプリンでした。上の2品がおいしくて大満足。

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ところで、昔の伊勢佐木町はおしゃれな街だったという話をあまり信じてもらえないのですが、歌に歌われています。

僕の生活経済感覚について

 生きにくい世の中です。どん底不景気に大学を出て、ようやく結婚できるくらいの経済基盤ができるのに10年かかりました。そう思えば歴史市場最大の経済崩壊がやってきました。知らず知らずのうちにずいぶん打たれづよくなりました

最初は納戸に住んでいた私ですが、最近は前よりすこし広くなった部屋の中でぼーっと考え事をしています。このブログを見ている人は、特に親しい人を除いて僕がとても身分不相応な暮らしをしているのではないかと誤解しているかもしれないと思っています。

実家を出て買い揃えた生活用品の多くは手放してしまいました。最初は経済的な理由で安いものを買ったのですが、使い勝手などを考えると「なるほど安いというのはこういうことか」と思いました。

値段に引き合う範囲で使い手への愛を感じるものだけを残したら、残ったのは結局古いものたちでした。父のお下がりの英国製コート、友人の父上の作った時代物の食器、明治時代の箪笥、真空管アンプなど、数十年前のものばかりです。これはアンティークが趣味というわけではなく、必然的にそうなっただけです。

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食べ物にしても10年前はささやかにブーム黎明期のラーメン食べ歩きなどをしていましたが、今では豪華な食事会におよばれするようになりました。

でも、普段はスーパーの半額の品を狙って昼も自作のお弁当をつついています。一流レストランのまかないと比較すべきではありませんが、同様においしいけれども決して贅沢はしていません。しいて言えば、材料の切り方をそろえて火のとおり加減に気をつけること。化学調味料にたよらない味付けをすること。これで月2万は浮きます。

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着るものだって手作りのオーダーですが、中国製です。値段は日本のつるし売りの四分の一です。自分の一手間を惜しまず、お金がまじめな作り手に届くように意識をしていたら、最近はなぜかお金が貯まるようになってきました。目先のことにとらわれない一見回り道に見えるルートが実は近道だったのかもしれません。

僕が物を買う條件は、今あるものよりもいいものしか買わない。新しいものを買ったら前のものは手放す。そして、壊れたりしない限り長く使い続けられる物を選ぶことです。

僕の願いは、傷やしみも含めて彼らと一緒に老いていくことです。という僕の価値観を彼女に話す機会が欲しかったのですが、話すチャンスがめぐってくる前にまた一人になってしまいました。何か吐き出しておきたくてここに記しておきます。