日本語ぺらぺらのアメリカ人同学が午前中遅刻してきました。どうしたんだろうと思ったら、徹夜で口語の発表準備をがんばっていたようです。
彼の発表内容は、前回恐ろしいこととして紹介したパナマの偽グリセリン事件です。事件、死亡者数は少なくとも100人。原因は薬用グリセリンとして販売された中国国営企業の原料が、実はニセモノだったという話。
彼の話が進むと、老師の顔がみるみるこわばります。講評のときに彼女が発した言葉は「大変微妙な気分です。しかし、輸出したということは輸出手続きに問題が無かったことです。毒性を検査をしないで利用したパナマの責任じゃないんですか?」 ここで、学生たちが逆に凍りつきました。 100人以上の命を奪った責任は中国にないとでも?これは大量殺人ですよ。
その後、講義が終わり老師が去った後の教室には異様な空気が流れていました。アメリカ人同学は机に突っ伏しています。ほかの日本人同学は「老師の表情が突然変わった」と呟いていました。みなそれ以上話し出しません。彼女の人命軽視の発言に絶句する以外ないのです。
この案件、もともと私が発表しようと思っていた内容でした。 私は金曜日に発表の順番がくるはず。私の発表内容は「羊頭狗肉」に決めました。内容は、中国のむちゃくちゃな市場化と汚職、人命軽視からくる食品安全性問題です。
さて、資料あつめは終わったから、原稿がんばろ。 中国で勉強するのは、中国人の扱い方という気がしてきました。
これ読むまで知りませんでした。