HSK8級に見事合格した韓国人おやじ(なかなかいいやつです)が、主任老師に見せた本。「この本はいいと思う」と言って渡したものの、老師の顔がいきなり曇りました。
「この問題文はおかしい。中国人はこんなふうな補語をつけない。人目で外国人の書いたものだとわかる 」「でもこれは、HSKの問題からとったもので」「こういう本を出す前に、ネイティブのチェックが必要だね」
そもそもHSK問題は非公開(試験後に回収)なので、この本の問題も韓国人老師が書いたものなのでしょう。
「こういう試験対策ができてしまうということは、HSKを作っている人たちが怠けているということで、あまりよろしくない。」
「夏のコースは、全員E班(高級)に行きなさい。 午前のD+班は、この速成のD班よりレベルが落ちる。」というわけで、夏休みはE班の一番下に行って、時間を作って語法と発音の練習をすることにしました。
老師との座談会は続きます。最終日は、なんと出席者は私だけ。 老師3人と私1人という、とんでもない事態でした。ほかのクラスも、まじめに出てくるのは日本人です。ちょっと面子を保ちました(笑)
とにかく、 今勉強をやめると忘れるから、続けなさい。聴力と口語は密接に結びついているから、聴力をあげるためには口語と発音を矯正して聴力・口語を同時に練習しなさい。口語・発音がまったくダメで聴力がむちゃくちゃいいのは、インド人だけです。(笑) インド人って、こんな特徴もあるんですね。彼らはすごいです。
聴力のHSK対策は試験への効果があるけれど、実用にはならないからお勧めしない、と、やはりHSKの問題点を話していました。主任老師も別の老師も、HSKに対しては肯定的なことを基本的に言いません。「あれは能力のほんの一部分しか現さない。韓国人のように、仕方なしにやるのであれば仕方ないが。。。」といいます。
結論は
- 口語・聴力を同時に練習する
- 発音を重視し、発声練習を多くとる
- 閲読を多くおこない、中国語の単語の組み合わせの語感を鍛える。なんでもいいから現代小説を読みなさい。
北京語言大学の速成コースは、HSKに重点を置いているというふうに日本では言われていますが、2学期を終わって、実は違うことを確認しました。
前学期に私と同じレベルの班にいた韓国人たちは、主任老師がHSK対策の文法をまったく行わない(今回も同じ)なので、相当不満を持っていたようです。彼らは試験に将来がかかっているので不満があるのも仕方ありませんが、私はこのコースで良かったと思っています。