池袋の福清菜館

悪くないという噂を聞いてやって来ました。中華街エリアのピンク街にあります。

ランチタイムもレギュラーメニューOKみたいです。二人だったので、ちょっと少なめと思ったら2品で食い切れない量が出て来ました。

雜燴湯 ぶたの内臓色々、皮の揚げたもの、八つ頭のスープ。豚の皮がちょっと古い脂の匂いがしていました。タケノコ醗酵調味料の味が濃い目です。ガツンとうまいです。4人前ありそうな分量。ランチセットなのに。

海鮮土冬粉 海鮮じゃがいも春雨炒め。 これ、牡蠣とアサリの出汁がものすごいですね。うまいです。

他にもメニューはこんな感じ

完全に中国人向けの店なので一般人にはオススメしません。ガイドがいれば楽しいと思いますよ。味はいいですよ。

上海蟹を食べるなら大珍楼以外考えられません

先輩にお祝いごとがあり、宴会を設定したのですが時期は秋、そうすると蟹以外ありえません。
一応、上海でも香港でも食べて来ましたが、蒸しや料理は千差万別で、唯一凄いと思ったのは図安蟹味館(閉店)くらいでしょうか。

手間がかかる料理ができる大きいお店でぶっちぎりのトップは横浜の大珍楼です。自分の結婚式の宴席もお願いしたのですが、人生が変わるようなガツンとした宴会はここに限ります。先日行った香港のローカル高級リゾートホテルよりも遥かに美味しいです。今回も陸社長にお願いしてスペシャルメニューを用意していただきました。同様の宴会は、10名以上の予約でお店に行って綿密に相談すればできると思います。もしくは同日に同様の宴会が運良くあれば注文できる可能性があります。

料理は全て蟹の時価なのでこちらには書きませんが、都内の一流店は場所代もあるので、こちらは横浜価格です。そして料理は世界レベルかと思います。

今回は8年ぶりくらいでスペシャルを戴きました。前回よりもさらに美味しくなっているのがわかります。

上 話梅醉大閘蟹
いわゆる酔っ払い蟹です。しっかりと味が付いていて、ぶどうのような食感の蟹の身と濃厚な甘みが猛烈な美味です。しっかり味が付いているのでお酒が欲しくなるのですが、自制しないと料理の最後まで辿りつきません。

下 大閘蟹粉排翅
上海蟹の蟹みそ味 フカヒレ姿煮
予想外に大きくて分厚いフカヒレが出て来てびっくりしました。この姿煮を戻すのは技術がいるそうで、蟹スープに埋まっていると見えないのですが完全な三日月型でした。昔、中華街(我が家では南京町と言いました)に来て、夢のフカヒレを食べて喜んでいた親に食べさせてあげたいと思うような食感でした。大事にいただきました。隣の家内は上海生活が長かったので、お豆腐が欲しかったそうです。我々、本当に庶民ですね。

龍眼燉大閘蟹
上海蟹の蒸しスープです。佛跳牆同様に壺に目張りをして密封して蒸しあげます。あの上海蟹からどうやってこのスープが取れるのか不思議です。スープこそが最高の料理と信じるのが広東人だそうです。数年に一度だけいただいてますが、少しづつ味が洗練されて来ている気がします。お店が絶対の自信を持つスペシャリテですね。

大閘蟹蘿蔔糕
大根餅の上海蟹ソース お祝いには欠かせない大根餅を組み入れてくれました。これも前に食べたものよりパワーアップしています。

蟹粉炒鮮帶子
貝柱の上海蟹味噌炒め 痛風の人が見たら卒倒しそうなビジュアルです。貝柱の火の通し方が完璧でした。ここで発生したジレンマはブロッコリーを食べるかどうかです。まだメニューの半分なのですが、すでに二匹分以上の蟹を片付けています。胃袋の余裕がある人だけブロッコリーなのですが、この濃厚なソースにはブロッコリーが実に美味しくマッチするんですね。

蟹粉多士戈渣。 蟹味噌トーストとプディング
実は蟹味噌とパンの相性は最高です。初めて上海で食べた蟹味噌をバゲットに載せて食べる料理にはたまげました。こちらは香港風に揚げてあります。このダサさが実に英国文化を広東人的解釈した香港らしくていいですね。そして、こう来たか、さすが大珍楼、広東人の嗜好を理解し尽くしています。お酒が欲しいけれど、呑めない自分が悔しいです。ちなみに広東人は酒を飲まずにコーラなど汽水なのかも。。。

メインディッシュの上海蟹 雌と雄です。下のお皿は会長がたしかポルトガルで見つけて来た染付の大皿。輸出仕様ですが、北京の首都博物館にあってもおかしくないレベルの名品です。

みなさん無言で食べて来ましたが、この辺で筋肉痛が始まって痛い痛いという声が出始めました。蟹をほぐすのは力仕事です。白子のコクが表現しがたいですね。

上海蟹小籠包 餅米で包んで揚げてあります。蒸したのは東京にありますけど、揚げたのは食べやすくていいですね。ガツンと来る味です。

当初メニューになかったのですが、蟹粉伊府麵を出してくれました。中国に色々な麺がありますが、伊府麵はその中でもトップクラスの味わいだと思っています。カップヌードルの原型とよく言われます。一度揚げてある分、味の染み込みが良いので、脂分とソースが口の中で渾然として広がる感覚があります。

デザートです。中国のスイーツは本場だとがっかりするものがおおいのですが、こちらは漢方の考えに沿って体を温める、熱を冷ますという仕組みで甘味も用意してくれます。すでに限界だったのですが今回のパイは綺麗に積層が出来てて、食べずにはいられませんでした。西瓜の種と冬瓜や鹹蛋入りのお菓子など、日本人には馴染みのない材料で作られているお菓子は相当手間がかかっています。

陸社長、本当にどうもありがとうございました。

羊香味坊で北京を懐かしむ

あれは10年前のことでした。私が北京に行く直前、食べに来たのが神田の味坊。まだ全然有名になって無かったころの話です。

その時食べたのは孜然羊肉と、チャーハンでした。まだ東北料理の特徴を知らなかったのです。出て来た料理は男二人で食べきれるかどうかの山盛り。「お前日本人のくせにわかってるじゃないか」的な店主のドヤ顔をよく覚えてます。食べきるのは無理だったので持ち帰って翌朝もう一回食べました。

東北料理の特徴は、「量が多い」なのです。

そして1年間の武者修行を終えて帰国後、変わらない姿で店はありました。夜8時ごろ行ったら、店主が完全に酔いつぶれています。何があったのか。店員に連れられて帰ってしまいましたが、困ったことが起きました。店の中には日本語を話せる店員がいないのです。店員たちはパニック状態。サラリーマンも完全に呆気にとられています。

仕方ないので、迷い込んで来たサラリーマンの注文を通訳してあげます。いやー、カオスだなーと大笑いでした。

その後、自然派ワインの商社の人が気に入って、GQとかで紹介されて一気にスター街道にデビューした味坊。昔はサラリーマンと一部のコアな中華マニアしかいなかったのに、今では女性の方が多くなってしまいました。

新しい店を出したというので、お祝いがてらやって来ました。

羊肉串 5種類。レバーとか入ってて楽しいですね。すごく綺麗に焼けてます。梁さんが店先の炭焼きした荒々しいものの方が北京を思い出して好きなんですけどね。

思い出の孜然羊肉。こちらも小洒落たものになってます。前の荒々しい肉炒め的なものを期待していたのですが、こちらはオシャレなお店。表参道中目黒あたりで出してもいいんじゃないか的な感じです。

味は随分方向性が変わったけど、古い仲間の顔を見ながら食事するにはいいですね。初めて来る人連れて来て「ナンジャコリャ」という顔を見る楽しみはないのですが、誰でも気兼ねなく入れるのは裾野が広がっていいと思います。梁さん、たっぷり日本夢を実現してね。