龍鳳で手作り伊府麺

ストレスで体調を崩し、ろくなものを食べていなかったので快気祝いに伊勢佐木町の龍鳳にやってきました。

 

「夏が終わって、冬の牡蠣チャーハンまでの間、限定で伊府麺を出してるんですよ」とオーナーシェフ。生地を見せてくれました。「卵だけで作るんで生地が固くて手で練るのが大変でさぁ」とぼやいていました。

 

 

でてきた牛肉伊府麺。少し不揃いな厚さで弾力のある麺がたまりません。一度揚げているので味のパンチも抜群です。近所の二郎なんかに行ってる場合じゃないですね。

 

もちろんお約束の焼き物セット。叉焼美味しい、栗の渋皮煮が泣かせます。

 

締めはしいたけそば。寒くなったらコレに限ります。私の中で最高の一皿の一つです。干ししいたけの最高級品を使っているので、昔と比べてずいぶんしいたけが小さくなりました。経済発展してるアジア圏と奪い合いなので仕方ないですが、お願いして最大クラスのしいたけをつかって作っていただきたいですね。旨味の固まりを食べている気分になります。

中華街 南粤美食でお買い物

ちょっと買い出しに南粤美食にやってきました。クリスマスチキンの代わりに、東江鹽焗雞を食べてやろうと。

ついでに、軽く腹ごしらえです。煲仔飯が美味いのですが、今日は砂鍋です。肉が柔らかいのは重曹処理?

 

シェフは北京語、ちょっと怪しいです。鹽焗雞をお持ち帰り。

上海蟹を食べるなら大珍楼以外考えられません

先輩にお祝いごとがあり、宴会を設定したのですが時期は秋、そうすると蟹以外ありえません。
一応、上海でも香港でも食べて来ましたが、蒸しや料理は千差万別で、唯一凄いと思ったのは図安蟹味館(閉店)くらいでしょうか。

手間がかかる料理ができる大きいお店でぶっちぎりのトップは横浜の大珍楼です。自分の結婚式の宴席もお願いしたのですが、人生が変わるようなガツンとした宴会はここに限ります。先日行った香港のローカル高級リゾートホテルよりも遥かに美味しいです。今回も陸社長にお願いしてスペシャルメニューを用意していただきました。同様の宴会は、10名以上の予約でお店に行って綿密に相談すればできると思います。もしくは同日に同様の宴会が運良くあれば注文できる可能性があります。

料理は全て蟹の時価なのでこちらには書きませんが、都内の一流店は場所代もあるので、こちらは横浜価格です。そして料理は世界レベルかと思います。

今回は8年ぶりくらいでスペシャルを戴きました。前回よりもさらに美味しくなっているのがわかります。

上 話梅醉大閘蟹
いわゆる酔っ払い蟹です。しっかりと味が付いていて、ぶどうのような食感の蟹の身と濃厚な甘みが猛烈な美味です。しっかり味が付いているのでお酒が欲しくなるのですが、自制しないと料理の最後まで辿りつきません。

下 大閘蟹粉排翅
上海蟹の蟹みそ味 フカヒレ姿煮
予想外に大きくて分厚いフカヒレが出て来てびっくりしました。この姿煮を戻すのは技術がいるそうで、蟹スープに埋まっていると見えないのですが完全な三日月型でした。昔、中華街(我が家では南京町と言いました)に来て、夢のフカヒレを食べて喜んでいた親に食べさせてあげたいと思うような食感でした。大事にいただきました。隣の家内は上海生活が長かったので、お豆腐が欲しかったそうです。我々、本当に庶民ですね。

龍眼燉大閘蟹
上海蟹の蒸しスープです。佛跳牆同様に壺に目張りをして密封して蒸しあげます。あの上海蟹からどうやってこのスープが取れるのか不思議です。スープこそが最高の料理と信じるのが広東人だそうです。数年に一度だけいただいてますが、少しづつ味が洗練されて来ている気がします。お店が絶対の自信を持つスペシャリテですね。

大閘蟹蘿蔔糕
大根餅の上海蟹ソース お祝いには欠かせない大根餅を組み入れてくれました。これも前に食べたものよりパワーアップしています。

蟹粉炒鮮帶子
貝柱の上海蟹味噌炒め 痛風の人が見たら卒倒しそうなビジュアルです。貝柱の火の通し方が完璧でした。ここで発生したジレンマはブロッコリーを食べるかどうかです。まだメニューの半分なのですが、すでに二匹分以上の蟹を片付けています。胃袋の余裕がある人だけブロッコリーなのですが、この濃厚なソースにはブロッコリーが実に美味しくマッチするんですね。

蟹粉多士戈渣。 蟹味噌トーストとプディング
実は蟹味噌とパンの相性は最高です。初めて上海で食べた蟹味噌をバゲットに載せて食べる料理にはたまげました。こちらは香港風に揚げてあります。このダサさが実に英国文化を広東人的解釈した香港らしくていいですね。そして、こう来たか、さすが大珍楼、広東人の嗜好を理解し尽くしています。お酒が欲しいけれど、呑めない自分が悔しいです。ちなみに広東人は酒を飲まずにコーラなど汽水なのかも。。。

メインディッシュの上海蟹 雌と雄です。下のお皿は会長がたしかポルトガルで見つけて来た染付の大皿。輸出仕様ですが、北京の首都博物館にあってもおかしくないレベルの名品です。

みなさん無言で食べて来ましたが、この辺で筋肉痛が始まって痛い痛いという声が出始めました。蟹をほぐすのは力仕事です。白子のコクが表現しがたいですね。

上海蟹小籠包 餅米で包んで揚げてあります。蒸したのは東京にありますけど、揚げたのは食べやすくていいですね。ガツンと来る味です。

当初メニューになかったのですが、蟹粉伊府麵を出してくれました。中国に色々な麺がありますが、伊府麵はその中でもトップクラスの味わいだと思っています。カップヌードルの原型とよく言われます。一度揚げてある分、味の染み込みが良いので、脂分とソースが口の中で渾然として広がる感覚があります。

デザートです。中国のスイーツは本場だとがっかりするものがおおいのですが、こちらは漢方の考えに沿って体を温める、熱を冷ますという仕組みで甘味も用意してくれます。すでに限界だったのですが今回のパイは綺麗に積層が出来てて、食べずにはいられませんでした。西瓜の種と冬瓜や鹹蛋入りのお菓子など、日本人には馴染みのない材料で作られているお菓子は相当手間がかかっています。

陸社長、本当にどうもありがとうございました。