南アジアの文化を研究していて、別の場所から伝わった料理が現地化してどう変わるかというのが非常に面白いテーマになります。文化の伝搬は、大本の場所から同心円状に広がるので、広東からすると日本とベトナムは似たような漢字の発音だったりします。味も発祥の地では古くて廃れてしまったものが残ったりするようです。
広東でよくワンタン麺に使う、高加水率のゴム麺の店があります。ここの味が、横浜本牧の奇珍にベースがそっくりなのです。
https://goo.gl/maps/keWJGcpVtz62
メニューにある SUI CAOは水餃(北京語で すい じゃお)です。Miは麺です。メニューを推測しながら頼むのも楽しみです。よく失敗しますが。。。。
高加水率でぐりぐり歯ごたえがある麺、極細ではなく細麺です。この上にアヒルのもも肉薬膳煮がどどんと乗ります。スープは横浜にかつて広く存在した、中華料理屋さんのスープに近い、漢方臭い匂いのするスープに甘みが強く効いています。
後ろの漬物は、なにか瓜の一種です。
戦乱の時代を逃れて、海沿いを自由に行き来してきた広東人たちの古い味がしみじみと体に入ってきます。いまの日本人からすると食べにくい味だと思うのですが、中華好きがベトナムにきたらこれを食べないと損だと思います。