大阪出張で、金曜夜の新幹線に乗るのは気が引けたので一泊して帰ることにしました。どこか見てこようと思ったのですが、京都の紅葉はまだ早すぎます。ふと思いついた高野山に行くことにしました。

場末のビジネスホテルは、朝寝を楽しむ気にもならず、早めの列車で高野山に向かいます。初めて和歌山の紀ノ川を見ました。電車にしてはものすごい急斜面を登っていき、ケーブルカーに乗り換えて2時間ちょい、高野山に着きました。

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歴史上の人物が勢ぞろいの、高野山奥の院へ歩いていきます。

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キノコ、シダ、コケなどが墓石の間にいっぱいあって、植物好きには飽きることもありません。

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紅葉が始まっていて綺麗でした。これから奥の院の中に入ります。この先は神域なので撮影禁止です。

そして弘法大師の廟の前まで来ました。けっこう若い人がお参りに来て、上手に経をあげています。たいしたもんだなあと思いつつ手を合わせていると、なにかが自分の中に降りてきました。

杭州の霊隠寺で弘法大師さんの銅像に落書きがされていたのが浮かんできました。その後、西安の法門寺の景色が浮かんできました。長くて辛かった大陸放浪の旅で抑えていたものが噴き出してきました。思えば弘法大師と同じ道のりを旅してきて今日ここにたどり着いたわけです。こんな日本人は私以外にそうめったにいないでしょう。

この奥の院に来たすべての人に、弘法大師さんはお迎えと見送りをしてくれるといいます。どうも私には意識の中にまで降りてきてくれたようです。周りの人は何が起きたかと思ったでしょうが、ほうっておいてくれました。とんでもない不思議体験をしてしまいました、大の男が恥ずかしながら泣きじゃくりながら霊廟を後にしました。

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奥の院の横にある英霊廟は、一足早い紅葉に染まっていました。最近、許すことができる自分に気がつきました。もちろん軍国主義は自分の一番忌み嫌うものの一つですが、ここに祭られてる人は嫌だけれど仕方なく戦争に借り出されて亡くなったんだなあと思うと、手を合わせずにはいられません。自分が戦争に行かずに済んだことを感謝します。

世の左翼の人たちにも、世の人をあまねく許すという仏様の教えが届くことを願ってやみません。高野山には戦国の敵味方が一同に会しています。太平洋戦争で亡くなった軍人や朝鮮人、ビルマ人など他の国の霊までいます。中国まで私が捜しに行ったものが、1200年前に弘法大師さんが持ち帰っていたのかもしれません。遠くから来た坊さんはお経が上手(遠來的和尚好念經)とはよく言ったものです。

台湾の林和尚の言う、私の前世坊さんという話は、笑い話と思っていましたが最近とても納得して受け入れています。

2 のコメント

  1. I tend to like small towns rather than big cities (despite liking 大阪 a lot too), and despite the number of tourists that go there, 高野山 feels a like a small town nestled in the mountains. If that’s all it had going for it, it would be enough, but of course 高野山 is filled with beautiful temples and a rich religious history; and 奥の院 and the surrounding forest cemetery is probably one of the most beautiful places I’ve ever visited. It may sound odd, but when I was young my grandparents lived next to a cemetery, and we would often go for long walks there in the evening together. While for many people cemeteries have a negative connotation, for me they are incredibly peaceful, beautiful places, and the cemetery at 高野山 is one that I would never tire of going to.

    魏 思龍

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