初回訪問は2017年の9月だったのですが、体調を崩していたこともあり、2018年7月にようやく夜の訪問となりました。中華街の若社長推薦だったので味が良いことは確実に信じており、ランチの品質もすばらしく期待していました。
はたして、期待通りの訪問となりました。華僑のコックによる料理はもともと美味しいものを食べて育った上で、ライバルが和食やフレンチ、イタリアンのため広東よりも厳しい環境で進化をしていると思います。彼らは日本人客には出てこない伝統料理を家庭でさんざん食べて育っているので、味の表現の幅に日本人コックとの間に越えられない壁を感じます。
とうもろこしの冷製スープ これはヌーベルシノワっぽい一皿ですね。丁寧に裏ごしされていて、とうもろこしの旨味が生きていました。街の中華屋さんでこのレベルの皿が出てくるのは本当に珍しいです。
自家製XO醤
これには参りました。お値段はあえて書きませんが、必ず頼むべきです。ごろっと貝柱の山の中に蝦仔の黒いつぶつぶが、バニラの種子のように入っています。これとビールだけで至福です。
自家製チャーシュー
オーナーシェフは横浜華僑のようで、難しい焼き物にチャレンジされてます。焼き物は専門職の仕事で製法は門外不出なので普通のコックは見よう見まねで研究するそうです。明炉という焼き物専用のオーブンが厨房に見えます。
伊勢佐木町の大師匠曰く、「煮豚はチャーシューではないっていううるさいお客がいるからね、焼いたチャーシューとパリパリ皮の焼き物がないと広東料理のお祝いは始まらないんですよ」ということで研究しつづけているのだけれど、まだ納得いかず研究を重ねています。こちら慶の焼き物もかなりいい線いっています。今後どんどん美味しくなっていくと思います。横に添えた胡桃の餡掛けがほっとする味で良いです。
例湯の中身
例湯(日替わりスープ)がこんな小さい店で用意されてるなんて素晴らしいです。中身はスペアリブ、手羽先、冬瓜、干しほら貝貝、などでした。
出汁が出きったスープには、麻薬のような中毒性があります。これはビールと喧嘩してしまうので合いません。水で口をリフレッシュしながらいただきます。脂が乳化していてどかんと豊かな味わいです。
鹹魚肉餅 中華ハンバーグ蒸し、ハムユイのせ
スープを飲んでいたら、厨房から揚げ物の音がしてきました。ハムユイを揚げているのでしょう。ほどなくして大きなポーションの肉餅が運ばれてきました。くさやの匂いが食欲をそそります。白いご飯はぱさつかないように蒸して提供でした。これを豪快にご飯にかけて食べるのですが、二人それぞれ白ごはん一膳では余る量です。食べ過ぎよくないなーとおもいつつご飯おかわりは我慢しました。