龍鳳 たけのこ中華の会2018

龍鳳 たけのこ中華の会2018

今年は異常気象で、桜の開花も異常にはやく、梅雨明けに至っては20日はやいという変な年ですが、ひやひやしながら例年通りの日程で開催しました。

 

たけのこの姫皮とホッキ貝のサラダ

ぶどうが入っていて、甘酸っぱさと貝の旨さ、たけのこの甘みが素晴らしい一皿です。いきなり度肝を抜かれる完成度。最近、自分でもぶどう入りサラダはブームです。

 

大根の甘酢漬け、関山桜の塩漬け添え。桜の塩漬けは長持ちしますが、これはこの春採れたばかりのフレッシュなものです。

 

ニガウリときゅうりの和え物 これで皆さんの口の中が環境ととのったところで本格的にスタートになります。

 

炭火焼きチャーシュー

 

パリパリ皮の脆皮焼肉 見てください、このロゼの仕上がり。まだ皮の焼き目が安定しないので、真剣に改善をつづけているようです。

 

干し野菜のスープ 先日の中華オーナー連の広東研修ツアーで、現地仕入れしてきたという貴重な干し野菜。「これは、広東省のほこりっぽいところで干さないと美味しくないんですよ」というお話で、白菜とも違うアブラナ科の野菜のようです。茎が小松菜のように細いです。良いお味が出ていました。

 

ふきのとうの包み揚げ もう時期的にはギリギリですが、やはり年に数回はこれを食べたいです。

 

大根の貝柱射込み 髪菜つき  大変おめでたい一皿で、古いお金を模した大根に干し貝柱の形のいいのを入れてあります。これ作るのめんどくさいだろうなと思います。写真には写ってませんが、下に黒い藻がひいてあり、髪菜です。大変めずらしいものにもかかわらず、今年は二回もたべている気がします。

 

たけのこと海老しんじょの旨煮  今年の新作です。ぷりぷりの海老を包み込む繊細な味が素晴らしい。皆さん大絶賛。

 

石鯛の蒸し物 超大物が出てきました。いつもはハタやキンメダイですが、石鯛も素晴らしいですね。実は釣りをしてたころは夢の魚だったのですが、実際に食べたのは初めてです。思ったよりもゼラチンが多く、身も普通のタイのようにパサパサしないので蒸し物に向いている魚だと知りました。事前のイメージでは、その強力な歯でがりがりと貝を食べてるので、身の方もゴリゴリで洗いのようにしたほうが良いのかと。

 

たけのこと豚角煮の旨煮 定番の一皿です。上に乗った新鮮な木の芽がすばらしく、おかわり希望だしました。こんなに美味いものはめったに食べられないのに、この宴会では最初から最後まで続きます。10年以上やってますが、一回も外れの皿が無いというのは驚異的です。

 

たけのことサザエの炊き込みご飯 死ぬ前に何食べたい?といわれたらコレを選びます。圧倒的な旨味とほろ苦さが押し寄せる一皿です。海の香りと山の香りの融合ですね。数年に一度出てくるメニュー、これに会えるのは何年後でしょうか?

 

ゴマ団子 お金が儲かって子孫繁栄しますようにと、黄金色のごま団子。あれだけ食べたのにふしぎと入ってしまいます。

 

また来年が巡ってくるのが楽しみです。

 広東省中山市まで鳩を食べに行く

広東省中山市まで鳩を食べに行く

正月に香港にいく機会があり、南粤美食のおやじに「いいところ知らない?」と言ったら、「中山だ、中山に行け!」と強烈におすすめされました。「そんなにふらりといって、美味いものが食えるの?」と聞き返すと、自信満々で「食える!」「鳩と、蛇だ。」こんな機会がなければ訪れることもない場所ですし、幸い中国語には苦労をしないので言ってみることにしました。

「社長、鳩料理やってよ」と聞いたら、「ダメだ、生の鳩が手に入らない。冷凍は不味い」と頑固にお断りされましたが、奥さんのほうは「社長の鳩料理美味しいよ、帰省するとき自分で〆て食べてるよ」ということでお店でも幻のメニューです。

 

広東省の食用バトは、華僑がアメリカから持ち帰ったものと日本から持ち帰ったものを掛け合わせた品種だそうですので、100年ちょっとの歴史があるみたいですね。日本のキジバトって美味しいのかもしれません。

 

中山へは九龍の中港城からターボジェット船が出ています。他にバスという手もあります。国境をこえることになりますが、香港で買った携帯のSIMはそのまま使えるのでFacebookも大丈夫でした。昔、深センで働いていたころに散々乗った記憶があります。保険証入ったバッグおとして大変な思いをしました。あれがあって、中国語をちゃんと覚えようと思った思い出。

90分ほどで中山に到着します。

 

社会主義核心価値観がいたるところに掲げられています。私がいたころから、昔の中国に逆戻りした感じですね。

 

逆に進んでいるのは無人コンビニ。携帯の支払いを使って自分で精算するタイプです。全部個人情報からカメラまであるからとはいえ、こんなセキュリティ対策で大丈夫なの?と思ったら、隣が交番でした。そりゃ万全だわ。

 

やってきました。煲煲掂という名前のローカルなお店です。12時の段階で満席。

 

 

メニューはこちら。売りは鳩と煲仔飯らしいので、シンプルにしました。

 

 

招牌妙齡鴿

当日朝に〆たという名物の鳩。これはいままで食べた中の鳥類で最強でした。香港にいくと好きで何度も食べているのですが、朝じめの鳩は圧倒的なうまさです。噛むと肉汁が溢れ出てきます。手から皿からべとべとになってしまう

古法鹽焗鴿

こちらは塩蒸しと書いてありますが、実際はパリッと揚げ。先程の焼いたほうがうまいですね。

秘制鹵水鴿  こちらは煮たもの。美味しいのですが、やはり最初のが抜群です。

 

もう二匹くらい、最初の特製鳩ローストを行きたかったのですが、我慢して煲仔飯行きました。こちらはアヒルの風肉(干したもの)と鹹魚の釜飯。うまいけれど、鳩があまりにも素晴らしすぎたためパッとしませんでした。

 

猫と戯れたり、中国の地方都市を満喫します。疲れたので晩飯の蛇はやめて香港にもどります。船の時間まで時間つぶしが大変でした。

 

 ご無沙汰してます 2018年の旧暦新年会

ご無沙汰してます 2018年の旧暦新年会

昨年秋から大きく体調を崩していました。

ヘロヘロではありましたが、毎年のお勤めの龍鳳新年会を開催できたことを嬉しく思います。いまごろアップするのも恥ずかしいのですが、このお店を教えてくれた壺迷さんが一時期更新を止めていたのを思い出して、気力を振り絞って書いています。

 

手作り泡菜 甘酢が上品なスターターです。まずはこれで口の中をリセットします。手間がかかってます。

 

焼肉 カリカリ皮の豚ロースト。数年前から研究を重ねてようやく作れるようになったという一品です。燒臘師や点心師は専門職で、中国にありがちな個人の秘伝なので、大きい店の店主でも作り方を知ることができないとか。でも、これがないと「お祝いが始まらねぇ」(楊さん談)ということでああでもないこうでもないと苦心の作です。

まだ表面の焼き上がりが均質ではないものの、肉にうっすらロゼ色が残る仕上がりがさすがです。まさか伊勢佐木町でこれが出てくるとはだれも想像しないでしょう。

 

吉(ちー)を呼ぶように、鶏(ちー)の料理です。蔵王地鶏の白切鶏です。この骨のあたりにぎりぎり血の赤みが残る絶妙な火の通しが最高です。

 

手作り限定の腸詰め。お土産持って帰りたい!というと「むりむりむりむり!」とお姐さんに本気で断られてしまいました。初一(旧暦元旦)以降は出さないというメニュー、大晦日宴会の我々用に最後に撮っておいてくれたようです。

 

羅漢斎 お正月用精進料理です。精進野菜の旨煮です。この店に通って10年以上、はじめてこの皿が出てきました。

 

龍鳳スペシャリテ ふきのとうの包み揚げ

これが出ないと参加者から苦情が出る、横綱クラスのメニューです。参加者から「なんでこんなにぷりぷりなんですか?」と質問が出たのですが、「満員電車に乗っててひらめいたんですよ、包丁の入れ方にこつがあります」という答え。答えが知りたい人はぜひ季節にお店で注文してください。ことしのふきのとうは少々香りがおだやかで、がつんと春の香りが立つ例年のような味ではなかったのですが、また来年期待します。

 

有頭海老の旨煮?(名前失念) 頭のミソがうまいエビの頭を一番美味しく食べるにはどうしたらよいか考えて作られた一皿です。去年に続き今年も登場。食感の悪いひげや足が取り除かれていて、殻は揚げてあるので頭からバリバリいけます。

 

センマイの炒めもの 超新鮮で、北京で食べたセンマイを思い出す抜群の味で参加者絶賛でした。中には箸が止まらなくなる人も。

豚足の薬膳スープ 京濱華厨会所の賀詞交換会で毎年出されるスープだそうです。毎年スープは出ますが、この二段構えのスープは今年がはじめてのはず。

スープの中には、豚足(猪手)が入っています。横財就手(博打なんかの臨時収入が手に入りますように)と大変縁起のいい料理です。去年は雑所得が一杯あったけど、病気ですっからかんになっちゃったなーと思いつつ戴きました。今年こそガッツリ行きましょう。

年年有餘 年ごとに余裕ができますようにという「余」を「魚」にかけたお約束の一皿です。「ちょうど日本海がシケてて、小さいハタしか手に入らなかったんですよ」と申し訳なさそうな楊さん。いえいえ、こんなに美味しいハタが毎回出てくるなんて夢のようです。中骨のところでほろりと取れて、ぎりぎり血がのこる見事な蒸し加減でした。長年通っていますが、火の通しで一度も外したことがないのが驚きです。

 

大根餅。こちらの大根餅は自家製風肉とピーナッツが入った贅沢版。自分で作るのはとても無理です。風肉も臘腸(ソーセージ)も、台湾から広東にかけてのものは甘すぎて肉の味が飛んでいておいしくない、横浜と四川など冬に凍らない程度に寒いところがベストだと思います。

そして締めはこのお店の数あるスペシャリテでもファンの多い、牡蠣チャーハン。

もちもち系の旨味たっぷりチャーハン(もち米が入っている気がします)の上に大ぶりのまんまる牡蠣がずどんと乗ります。この春節の時期が一番美味しいです。数ある牡蠣料理の中で、これが個人ランキングで今の所不動の一番ですね。

 

最後は、金を模して子孫繁栄の意味を込めた芝麻球。あげ団子です。中華のスイーツは寿命が短く、できてから数分で食べないといけないものが特に美味しいですね。

 

楊さん、ありがとうございました!来年もよろしくお願いします。